採用試験での「不正」をAIが見抜く!HireRooの新機能「不審度」とは?

採用試験における「不正」をどう見抜くか——これまでの採用現場では、候補者の行動や回答の信頼性を判断するため、レポートにおける目検での確認が必要でした。

しかし、これでは多くの手間がかかるばかりか、時に候補者のスキルを正確に見極めることが難しい場合も。そこでHireRooが新たに導入したのが、AIによる「不審度」判定機能です。

この機能により、受験中の不審な行動をAIが自動的に検知し、採用担当者がより効率的に、正確に判断を下せるようサポートします。今回はこの「不審度」機能の仕組みと活用方法についてご紹介します。

HireRooでは、新機能として「不審度」をリリースしました。この機能は、受験中に不正行為があった可能性をAIが判定し、レポートに表示する仕組みです。レポート一覧や詳細画面で確認することができます。

 

これまでHireRooでは、キーストロークのプレイバック機能や離脱回数、ペースト回数、類似コードなど、さまざまなデータを通じて候補者の行動を可視化してきました。これらの情報を確認する際、エンジニアの方々は詳細レポートをくまなくチェックし、候補者の回答が正当なものであるかを慎重に見極める必要がありました。特に、検索や生成AIを利用して回答している場合は、正確なスキル評価が難しく、確認作業が負担となっていました。

今回の「不審度」機能は、HireRooに蓄積された4万件のデータを基に、弊社エンジニアが不正の可能性を目視で分類した学習データを用いて、AIが不正行為の可能性を自動的に判定する仕組みです。

 

不審な行動がみつかった場合、AIが不審な行動の可能性があると判断したことを意味します。この機能は、再現率(Recall)を重視して設計されており、不正の兆候がある場合は見逃さずに検出するよう設定されています。そのため、場合によっては不正のない回答も「不審」と判定されることがあります。

 

健康診断の例にたとえると、「少しでも怪しい兆候があれば再検査を依頼する」という考え方に近く、見逃しを防ぐために疑いのあるケースに厳しめの判定を行っています。(興味のある方は「RecallとPrecision」について調べてみてください)

 

このようにしている理由として、仮に採用すべきではない人を採用してしまった場合、多額のコストが掛かります。弊社調べでは一人あたり500万円以上のコストと、組織へのネガティブな影響が発生します。そのため誤って採用してしまうリスクを極限まで下げるために、再現率(Recall)での指標とし、必要に応じてプレイバック機能などで詳細を見て判断してもらう思想になっています。

 

不審度をどのように活用すれば良いか疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。本記事では、目的別の使い方をご紹介します。

見極めの場合

採用候補者を吟味する際、不審と表示されたレポートは特に注意して、プレイバックや離脱回数などを確認し、スキルの妥当性を見極めてください。不審な行動が確認できる場合、面接での深掘りのポイントとして活用することが有効です。例えば、以下のような質問が効果的です。

  • この実装部分の説明をしてください。
  • 他に思いつく解法はありますか?

スクリーニングの場合

不審度がない場合は、不正の可能性が低いため、安心してスクリーニングを行えます。他の指標(スコアやランクなど)と合わせて評価するのがおすすめです。一方、不審度が高い場合は、レポートを1件ずつ確認するか、不正の可能性が少しでもあれば不合格とする選択も可能です。

 

また、不審度にはフィードバック機能も搭載しています。不審度が表示されていても、レポートの内容から不審な点が見当たらない場合は、フィードバックを送信してください。これにより、今後のレポート評価がより精度の高いものになります。

 

将来的には、不審度が示す「どこが、どのように不審なのか」を詳細に説明できる機能も追加予定です。これにより、レポートのチェックがさらに効率的になることを目指しています。また、現在はアルゴリズムにのみ適応されていますが、今後クイズ形式やシステムデザイン形式などの他の形式にも適応していきます。

 

HireRooは候補者のスキルを正確に見極め、ミスマッチを防ぐための機能を引き続き改善してまいります。ご要望はCS担当までお気軽にご連絡ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。