2026年7月 | AI協働力の評価基準を刷新し、AI活用の深さを見極めやすくしました
リリースノートAI協働形式のレポートで表示する「AI協働力」の評価基準を刷新しました。
AIを使って成果物を完成させたかだけではなく、候補者が自ら問題を捉え、AIに任せる範囲を決め、提案を検討し、検証と改善まで主導したかを、実際の行動ログに基づいて評価します。
改善の背景
AIを使うことが一般的になる中で、採用で見極めたいのは、AIを使って課題を完了できるかではなく、候補者自身がAIの提案を吟味し、判断と品質への責任を持って成果へ導けるかです。
従来の評価では、AIに指示して実装や確認を進められた候補者が全体的に高得点となり、問題設定や提案の精査、検証の深さといった違いがスコアに表れにくい場合がありました。今回の改善では、標準的なAI利用と、熟練したAI協働を区別できるように評価基準を見直しました。
新しい5つの評価軸
評価基準を、5つの評価軸と13の具体的な観点に再整理しました。
| 評価軸 | 評価する行動 |
|---|---|
| 環境構築 | AIが適切に作業できるよう、ツールやコンテキストを整え、安全に進めるためのルールを設定する |
| 意図の仕様化 | 問題を自分の言葉で捉え、制約や完了条件を具体的に伝える |
| 共同推論 | AIから代替案を引き出し、根拠やトレードオフを踏まえて採否を判断する |
| 実行の統制 | AIに任せる範囲を調整し、実行中の軌道修正や失敗からの収束を導く |
| 出力の品質保証 | 検証方法を設計し、AIの出力を批判的に確認して、品質をさらに高める |
各評価軸の詳しい定義と構成する観点は、AI協働力|SEIで確認できます。

レポートでは、5つの評価軸をレーダーチャートで確認できます。
5つの評価軸は、2026年7月時点で13の評価基準から構成されています。評価基準は、AI活用の変化に合わせて今後も改善・拡充していきます。各基準について、候補者のプロンプトやAIの実行ログ、テスト結果などから確認できる行動に基づいて評価します。
社内ベンチマークで評価の分布を検証
評価基準の再設計にあたり、実際の受検レポートを用いて、新旧の基準によるスコア分布を比較しました。
評価項目ごとの満点率の中央値は、従来の88.5%から新しい評価では36.7%となりました。
| 比較指標 | 従来の評価 | 新しい評価 |
|---|---|---|
| 評価項目ごとの満点率(中央値) | 88.5% | 36.7% |
| 評価項目ごとの標準偏差(0〜1換算・中央値) | 0.17 | 0.29 |
満点への集中が抑えられる一方で標準偏差は広がっており、候補者間の行動差がスコアに表れやすくなったことを確認しています。
新しい評価は、すべての候補者を一律に低く評価するものではありません。標準的な行動を中間の評価とし、候補者自身が問題設定、委譲範囲の調整、提案の精査、検証を主導する熟練した行動を上位の評価として区別します。
採用での活用方法
新しいAI協働力の評価により、次のような採用判断に活用しやすくなります。
- 成果物の完成度が近い候補者について、AIとの協働プロセスの違いを比較する
- スコアの根拠となった行動をプレイバックで確認し、評価への納得感を高める
- 候補者がどの判断を自分で行い、なぜその方針を選んだのかを面接で深掘りする
本改善は、AI協働形式のAIスコア(β)のうち「AI協働力」に適用されます。成果物への評価やテストのトータルスコアの計算方法に変更はありません。